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パーソナルAIは、日々の暮らしから始まる

執筆 Clifford · プロダクトリサーチ

Memex Lab の製品づくりに対する考え方です。例は説明のためのもので、将来のエージェント活用は設計の方向性を示しており、提供済み機能の発表ではありません。

ある夜、AIにしてほしいことは、考えを最後まで言葉にする手助けかもしれません。散歩で撮った写真、電車の中で残した音声、一つだけ覚えておきたい言葉。それぞれに、実行すべき指示が付いているわけではありません。

パーソナルエージェントの話では、仕事を任せることがよく取り上げられます。調べる、手配する、継続して物事を進める。どれも役立つ仕事です。ただ、一人の生活では、そのような依頼が月に数回しかなく、間に長い時間が空くこともあります。

Memex は、その間にある暮らしを大切にしています。生活を記録し、対話に戻り、ときどき生まれる依頼を自分らしいものにする細部を残すことです。

個人の用事は、一定のペースでは生まれない

複数の予定表を調整する家庭には、任せたい仕事がたくさんあるでしょう。一方、大きな買い物を比較するのは年に一度、旅行を計画するのは数か月に一度という人もいます。依頼が次々と続く前提の製品は、そうした流れのない暮らしには忙しすぎるかもしれません。

仕事を任せることにも手間がかかります。目的を説明し、ツールを接続し、結果を確認して、重要な操作を承認する。その負担が自分で行うより小さくなって初めて、任せる意味が生まれます。ある手順を信頼できるようになるまでは、見守る時間も含めて考える必要があります。

頻度は、製品設計の問題でもあります。たまにしかない用事でも大切なものはありますが、それだけでは普通の木曜日にアプリを開く理由にならないかもしれません。パーソナルAIには、そんな木曜日にも役立ってほしいのです。

次の旅を考える前に、あの午後を残す

週末の旅行を想像してください。静かな川沿いの道を撮り、「何も予定を入れなかった午後が一番よかった」と書き残します。一か月後、別の旅では「毎晩ホテルを変えるのは疲れた」という感想が残りました。

どちらもタスクに変える必要はありません。ただ午後を覚えていたい、二度目の旅が慌ただしく感じられた理由を考えたいだけかもしれません。記録は写真と言葉を一緒に保ち、対話はその先を話すきっかけになります。

それだけで、今の役に立ちます。次の休暇をエージェントに手配してもらわなくても、個人の記録には残す価値があってほしいと思います。

日々を検索できる記録として残す

寄り添う対話には、言いかけた考えを置ける

Memex が考える寄り添い方は、以前話したことに戻れる場所をつくることです。製品の公開資料には、AIキャラクターがタイムラインカードにコメントし、カードやナレッジ、記憶したやり取りの文脈を使って会話する機能が記載されています。キャラクターの性格も調整できます。

先ほどの週末なら、「予定のない午後の、どんなところがよかった?」と聞かれるだけでも、話を続けられます。必ずしも助言やリマインダー、計画につながる必要はありません。

モデルが読み違えることもあります。午後がよかったのは、一緒にいた人のおかげかもしれません。自分の言葉をAIの解釈と並べて残しておけば、違うと言い、理由を説明できます。会話は記録を考える助けになり、その意味を決めるのは自分です。

公開資料に記載された Memex の対話機能

たまの依頼にも、長い背景がある

数か月後、短い旅行を計画したくなりました。先ほどの二つのメモを取り出せば、好きだったことと疲れたことを説明できます。その材料を渡されたエージェントなら、「今回は一か所に泊まって、午後を一つ空けておきますか?」と聞けるかもしれません。依頼が生まれたときには、背景がすでにあります。

メモには、提案の理由も残っています。原文を開いて今も当てはまるか考え、「今回は街を忙しく歩き回りたい」と伝えられます。日付のある感想は、問いかけの根拠にできます。人をずっと同じ好みだと決めつける材料にする必要はありません。

私たちは、記録の習慣から、ときどき必要になるエージェントの使い道が自然に生まれると考えています。まず自分がしたいことがあり、関係する記録が背景を補います。静かな一か月に何の依頼もなくても、日記は役立ちます。

個人の記録と委派を支えるエージェント設計 · 選んだ記録で週次レビューを作る

モデルが変わっても、記録を持ち続ける

Memex は主要な記録を端末に保存し、カードとナレッジファイルに整理します。アプリは GPL-3.0 のオープンソースで、対応するモデルへの接続、独自のエージェント、プロンプト、Skills を設定できます。最初に整理を手伝ったモデルより長く個人の記録を持ち続けたいとき、こうした選択肢が意味を持ちます。

ローカル保存とモデル推論は別です。クラウドの提供元には、リクエストに含めた文脈が送られます。任意のプロキシ利用、同期、文字起こし、外部ツールにも別のデータ経路がありえます。接続先を選ぶことは、会話をどこへ送るかを決めることでもあります。

自分の表現をくみ取りやすいモデルに替えるかもしれませんし、自分でメモを読み返すだけかもしれません。使える記録が残っていれば、同じ材料を保ったまま選べます。オープンソースとモデル設定は体験を調整する手段になりますが、将来のあらゆるエージェントとの互換性を保証するものではありません。

対応するモデルの設定 · ローカルファースト保存でできること · Memex のプライバシーポリシー

将来のエージェントにも、自分の判断が必要

旅行の例は、将来ありうる活用方法です。Memex が現在、日記を読んで旅を自動予約するという意味ではありません。実現するには連携手段、関連する記録を選ぶ仕組み、読み取りと操作に対する明確な許可が必要です。

文脈は、その仕事に関係するときに役立ちます。旅行の依頼には二つの旅のメモがあればよく、無関係な私的な会話まで渡す必要はないでしょう。材料を選び、確認できることは、豊かな記録を持つことと同じくらい大切です。

今、製品に求める仕事は具体的です。写真を残し、考えを言葉にし、後から戻ってくることを、やってよかったと思えるようにする。川沿いの写真をメモの横に開けば、あの午後が大切だった理由を、自分の言葉で持ち続けられます。